カテゴリー「微生物」の記事

根粒の仕組みはいつ解明されたのか?

ニックネーム:A
根粒の仕組みはいつ解明されたのか?
根粒が根粒菌によって形成される植物の組織だと分かったのは、19世紀末のDr. Martinus Willem Beijerinckによって見いだされました。彼は博士論文でこの根粒菌が昆虫によって形成されるという確信のもとに研究を続けたのですが、そのときには昆虫が見つからなかったという結論で終わりました。しかし、研究をあきらめず、その10年後(1888年)についに根粒菌が根粒を形成するということを発見しました。
 でも、いまだに研究は続いております。植物と微生物の相互関係を解明するのにもっとも適した実験系だからでしょう。特にシグナル伝達(どうやって微生物から植物に情報が、その逆も、さらに植物の組織の中での伝達機構も)の研究が現在着目されております。

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根粒菌が植物にくっついたときになぜ鞭毛が無くなるのか?

植物の皮層の中に入り込んで、バクテロイドという特殊な菌の集まりを形成します。このバクテロイドでは根粒菌は細胞壁を失い、鞭毛も失います。
生きて行く為に最も効率よくするためなのかも知れません。というと何となくうなずけるのですが、そんなに簡単に生育環境に合わせ形態を変えるなんてちょっと不思議です。

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微生物の名前はどんなのがあるのか?

ニックネーム:石田
微生物の名前はどんなのがあるのか?
本当に沢山有ります。
有名な所だとEscherichia coli:大腸菌、O157はこの一つの種類です。
といった細菌から、カビ、ウイルス。微生物の定義にもよりますがプランクトンなども含めることもあります。
変な名前だとプルセラ菌なんてのもいます。

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微生物の数の数え方は?

ニックネーム:諸岡深
微生物の数の数え方は?
いくつか方法があります。古典的な方法ですと寒天プレートの上に薄めた溶液を広げて、しばらく培養した後に生じてくるコロニーの数を計測するという方法です。簡便な手法なのですが、自然界には培養がきわめて困難な微生物が大半を占めています。ちなみに土壌微生物の場合は99%が難培養性微生物と言われています。顕微鏡下で微生物を一つずつ数える手法や、フローサイトメトリーという機械と組み合わせて計測する手法もあります。

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根粒の中の微生物の種類や数は決まっているのか?

ニックネーム:澁川哲
根粒の中の微生物の種類や数は決まっているのか?
良い質問です。根粒菌としてまとめて話をしましたが、根粒菌の中にもたくさん種類がありますし、さらに株れべるになると人間の個人個人で違うようにまた異なっています。例えば窒素固定能の事のみを考えても、窒素固定能が高い株もあれば低い株もおります。さらに窒素固定能を全く持っていない根粒菌もいます。これらの根粒菌が根の中に入ろうとして切磋琢磨しています。実際に複数の根粒菌が一つの根粒に存在している事も知られています。同じ植物の根で根粒毎に根粒菌の株が異なることは当たり前のことです。植物はこのように異なる能力を持っている根粒菌(根粒)に対して、その生育を制限する事で制御を加えているということも最近分かってきた事です。
もっと大きな根粒菌の種という意味においては、マメ科の種類と根粒菌の種類はかなり限定的な関係にあることが知られています。特定の化合物レベルで制御がなされているようです。

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窒素以外の養分を獲得するのに役立つ微生物はいるのか?

ニックネーム:鎌田洋彰
窒素以外の養分を獲得するのに役立つ微生物はいるのか?
有名な微生物ですと菌根菌というカビの仲間がいます。およそ陸上植物の80%以上の種類がこの菌根菌のお世話になっていると考えられています。この菌根菌は根毛よりも細い菌糸を土の中に伸ばしていき、土の中にあるリン酸をかき集める能力を持っています。根粒菌では窒素が多くあるとその着生が抑制されますが、その場合と同じようにリンが十分にある状態だと植物への感染は著しく低下します。そのため特に荒廃地などでこの菌根菌の役割が大きいと考えられます。

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根粒はなぜマメにしかないのですか?

ニックネーム:無名、ブー
根粒はなぜマメにしかないのですか?
授業では紹介しませんでしたが、マメの中にも根粒をつけないものもおります。また、マメ以外の植物でも根粒をつけるハンノキ、グミなどもおります。しかしながらマメの根粒着生は進化的に比較的新しい出来事だと考えられています。生態系の中で窒素が制限要因になっている場所も多くあり(畑の事ではないですよ)、そのような環境で他の植物種との競合に打ち勝つ一つの手段としてマメ科が開発した能力だと思います。ちなみに、畑に沢山窒素肥料を散布すれば根粒は激減します。マメ科と根粒菌の相互関係で根粒はできます。今の通説では、まずマメ科植物の根から分泌されているフラボノイド類に土の中の根粒菌が誘引されます。続いて根粒菌の体内に入ったフラボノイドがシグナルとなって、根粒菌からNod因子という多糖類の化合物が分泌されます。このNod因子がマメ科植物の根毛に作用するとカーリングといって、グルと丸くなって行きます。このカーリングした所に根粒菌が集まり、続いて、根毛の先端から根の皮層細胞まで感染糸という管が形成されます。この管を通って根粒菌は根の中に入って行きます。根の中に入った根粒菌は植物ホルモンの一種を分泌し、これが瘤状の組織を作り、根粒菌のすみかとなって行きます。このような複雑な過程が必要なために、そうは簡単に他の植物には根粒が形成されないのかもしれません。

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干ばつした土にも微生物はいますか?

ニックネーム:ようこ
干ばつした土にも微生物はいますか?
います。でも非常に乾燥が進んだ土では微生物の活動度は低いと考えられます。でも微生物たちの中には乾燥にも強い胞子を形成して子孫を残している微生物も多く存在しており、何年も耐え抜く事が可能な事が知られています。昔、アポロ計画で微生物が宇宙空間で生存可能かどうかの試験が行われたと思いました(これもちゃんと調べた訳ではないのですが)。結構生き残ったという話を聞いた覚えがあります。空気中にも沢山浮遊しているし(アメリカではアフリカから偏西風に乗って飛んでくる土壌粒子中のウイルスの分析をしている大型な研究もあります)、微生物は強しです。

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根圏制御以外に菌の使い道は何かあるか?

ありますよ。植物の体内に住む内生菌も販売されています(アメリカの話ですが)。これは芝生用で、体の中で微生物が生産する化合物が虫害を抑制するに役立つということです。

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たくさんの植物があれば微生物を引き寄せる可能性が大きくなると思うが、どうですか?

ちょっとピント外れの答えになるかもしれませんが、植物を使って特定の微生物を集中的に増幅しようとしている研究もあります。植物は果たして全ての微生物に同様に側に来る事を許しているのでしょうか?まだはっきりとは分かりませんが、必ずしもそうではなさそうです。つまり、植物にも好き嫌いがあるかもしれません。

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なぜうんこに微生物がいっぱい入っているのですか?

それはあなたのお腹の中にたくさん微生物がいるからです。
腸内の環境は微生物によって支えられているそうです。お腹の中の物質代謝もヒトの力だけでは到底無理があるということでしょうか。腸内は体内のようであり、体外のようでもあります。人間の細胞レベルで考えると、腸内(胃や、口、肺もそうですが)は体外ですよね。人類が発生して何百万年ですが、ずっと微生物と一緒にやりくりしてきたのですよね。

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微生物の害はないのですか?

あります。植物も病気にかかります。細菌、カビ、センチュウと色々な微生物が原因で植物は病気になります。被害もひどいですよ。例えばセンチュウは防除が難しくて、FAOの話では世界の農産物の生産量の14%がセンチュウの被害で減収しているという試算もあります。過去においては19世紀末にアイルランドで三年間にわたって馬鈴薯(北海道ではジャガイモをこのように)に疫病という病気が発生して、当時主食だったジャガイモの生産が壊滅的な被害を受けました。その結果、人口の10%にあたる人々が餓死または飢餓に関連した病気でなくなり、15%にあたる人々が国を捨てて移住してしまったことがあります。
 農作物に対する微生物の害は考えさせられるところがあります。農薬の開発以来、作物は農薬と歩調を合わせて品種開発が進められてきました(さらに遺伝子組み換えでより効率的に農薬を利用できるような技術もすでに実用化されていますが)。そのため、今突然農薬の利用を停止してしまうとほとんどの作物の品種は植物病害微生物に対抗する事ができません。
 その一方で、農薬が環境、生態系、ニンゲンに悪影響を及ぼしている事も明らかになってきました。農薬はより環境に対して影響が少ないもの(ゼロにはできませんが)の開発が進められており、その使用にあたってみ総合防除という概念で経済的に許容できるレベルで抑制すれば十分であるという考えが導入され、むやみな利用は抑制されてはいます。苓明高校の講義でお話ししたように今から200年先の農業を考えた場合と2070年問題を考えた場合とでは自分たちがたつべきスタンスがだいぶ異なっているのが難し所なのですが。

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微生物は何をしてくれるんですか?

何をしてくれるのかという質問にしてしまうと、微生物がまるで他の生物のために何かをしているかのように感じてしまいますが、実際のところは微生物は微生物の好きなようにしているだけだと思います。植物にしろ、人間にしろ、そんな勝手気侭な連中とずっと一緒に暮らしてきたのです。大きさこそ違えどもお互い同じ生物です。それぞれが生存する戦略の中で微妙なバランスを取っているのでしょう。
 実際、本当に色々なことに作用しています。身近な所では沢山の発酵食品もそうですよね。食べ物を作ってくれるのとは逆に食べ物を駄目にしてしまうのも微生物の働きですし、でもその働きは地球上の物質循環においてなくてはならない作業です。
 お腹の調子を整える微生物がいる一方で、虫歯を作ったり、胃がんの原因を作ったりするのも微生物です。なんでもござれですね。

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根粒菌は何種類ぐらいあるのですか?

沢山です。というか分からないです。すみません。
根粒菌は菌根菌に比較すると宿主(植物のこと)と菌の種類の間の関係が限定的です。
そのため一つの植物種に一つの根粒菌の種類かというと必ずしもそうではありません。
マメ科と共生する根粒菌はRhizobiumやMesorhizobium, Sinorhizobiumが知られておりますが、これらの他にも最近ではBurkholderia属の中にも根粒を形成して窒素固定を行う細菌も見いだされています。同じRhizobiumで同じ植物種に共生する細菌の中にも株によって窒素固定能の大小は大きい事が知られています。この窒素固定能が低い株が高い株にくっついて根粒の中に入り込んでいるということも報告されています。また、窒素固定能を持っていない同じ種の細菌も沢山存在しており、それらが根毛の周りで窒素固定能を持っている最近から窒素固定に必要な遺伝子をもらっているという現象も知られています。そんなように、単純に何種類といえないのが難しいところです。

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農業に必要な微生物は何種類ぐらいいるんですか?

農業に必要な微生物という表現は実は結構難しいかもです。
無菌で水耕栽培を行っても農業は可能です。でも問題はコストですよね。いわゆる穀物を大量に栽培するためには土壌でうまく栽培する必要があります。
 植物に直接的に関与している微生物だけでもマメ科の根粒菌(これだけでも一種類ではありませんが)、リンの吸収を助ける菌根菌、病気を予防するようなトリコデルマ菌のような菌、芝生に内生菌を接種する内生菌の一種は昆虫の食害を防御する事が可能な化合物を合成するようなものもいます。
 でももっと大切なのは間接的に作用している微生物かもしれません。土壌中での物質循環には微生物の作用が欠かせません。そうでなかったら土壌中には植物の残骸だらけになってしまいますね。微生物作用による物質循環が何億年にもわたる植物の地球上での繁茂を支えていたといっても過言ではありません。

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微生物は何種類あるのか?

細菌だけでも昨年の段階で約7000種類が知られています。が、それらのほとんどは培養が可能な細菌です。遺伝子を利用した研究から環境中には培養が出来なくても存在している細菌が非常に多く存在していることが知られています。例えば土壌では培養可能な細菌はわずか1%。根の周りの根圏土壌は比較的培養可能な細菌が多いと考えられていますがそれでもわずか10%。
今年アメリカのVentorらの研究で、海洋の細菌の遺伝子を片っ端から決定した報告がありました。そこでは分類学的に新しい門(生物分類でかなり異なる性質を持っている事が予想されるグループ)に属する種類が148種類も発見されています。数十万種類、もっと多い可能性もあります。

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微生物はどこから生まれるのですか? どうやって発生するの?

無から有は生まれません。例えば納豆菌は芽胞と呼ばれる非常に耐熱性があり、長期間生存可能な細胞構造で休眠することが知られます。このような戦略をとらない細菌も沢山存在しており、例えば生理活性を非常に落として不良環境の下で生き延びている例も知られております。単細胞の細菌ですが、分裂によって数を増やしています。

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微生物ってナニ?

微生物の定義とは?ASAMA CHEMICALS に分かりやすい解説が出ておりました。『顕微鏡を通してしか見ることのできないような、小さな生物』ということです。細菌、カビ(真菌)、ウイルスといった生物たちが含まれるでしょう。もちろん、ゾウリムシ、センチュウ、ミドリムシのような生物を含めて考える場合もありますが、どこまでが微生物でどこからが違うかということは明確な定義は無いと思います。参考になりますか?目には見えないけど何かをしている生物たちです。

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