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普通に窒素化合物の肥料を与えるのはどうして土地に良くないのですか?

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普通に窒素化合物の肥料を与えるのはどうして土地に良くないのですか?
一番大きな問題として考えなければいけないのは生態系にたいしての影響でしょう。耕地ではない生態系において窒素という化合物はそんなに大量にあるわけではありません。限られた資源を様々な生物が競合し合う関係の中で多様な生物が棲息しています。もし、耕地に与えられた窒素が作物が吸収しきれずに周辺生態系に流れ出したらどうなるでしょうか。当然、それまでの生態系は簡単に崩壊してしまいます。そのような観点から過剰な投与はさけるべきです。
また、耕地から地下水などに流れ出た窒素ー特に硝酸ーは健康に対しても悪影響を及ぼすと指摘されてきました。最近の研究では硝酸そのものは人間に対してはほとんど害作用は無く、問題となるのは不衛生な管理で発生した大量の亜硝酸が健康に害があるということが示されています。ただし、牛のように酸性度が低い胃を持つ反芻動物では硝酸そのものが胃で亜硝酸にされる可能性があるために硝酸そのものの問題もあります。
 また、あらかじめいただいた質問にもありましたが、土壌中の窒素の一部は微生物の作用で温暖化ガスになる事も知られています。これらの観点からきちんと窒素を管理する重要性は大きいです。
 有機肥料を与えれば良いという物でもありません。有機肥料の肥料としての効能はゆっくりと栄養成分が植物に供給される事であり、植物に十分な成長をさせるためには、大量の有機肥料を投入する必要があります。これまでの研究報告では有機肥料の作用の主要因は窒素であると考えられており(品質面から別のアプローチの研究の行ってはいますが)、有機肥料を与えれば環境や健康に影響が無いということはありません。総合的に考える必要があるのではないでしょうか。

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リン酸、カリウムは必要ないのですか?

必要ですよ。説明不足でしたね。窒素、リン酸、カリウムが三大肥料と呼ばれるゆえんは多くの耕地においてこれら3つの元素が生産性を制限する最も大きな要因になるからです。もちろん、耕地の種類によっては制限する要因が異なる事もありますが、大きく考えた場合には窒素、リン酸、カリウムです。

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畑に肥料をまかなくても良い土作りには、どのくらいの年月が掛かるのですか?

肥料というのは化学肥料のことでしょうか?それとも有機肥料も含めた全般のことでしょうか?
いずれにしても植物が、それが持つ最大限の能力を発揮して大きくなるには十分な栄養が必要です。無から有は生まれません。栄養を与えるという観点で肥料は基本的には必要です。もちろん、人間が手をまったく加えない環境においても植物は生育します。昔の授業でアルゼンチンでは肥料をまったく利用しないで小麦の生産を行っていると聞き驚いたことがあります。ただしその生産性はきわめて低く、莫大な耕地面積と低い収量(一定の面積あたりの生産量)の掛け合わせで絶対量をまかなっているということでした。なぜ肥料がなくても植物が育つのか。それは地力によります。その土壌の母体になっている岩石からの養分、大気中からの降下物や雨に含まれている養分。さらには沖積地のように河川が遠い山々から削り取って来た養分を含む土壌。こういうものが地力を形成します。肥料はいらないのです。環境にも優しそうですよね。地球の人口を支える事は出来ないのです。人類は化学肥料の開発によってパンドラの箱をあけてしまったのかもしれません。

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肥料にも害はあるのか?

あります。環境中に散逸した肥料の成分(窒素やリン酸)は生態系に大きな影響を与えます。本来肥料などが投入される事の無い生態系には、低養分状態に適した生物が繁栄しています。そこに窒素やリン酸などが入ってしまうととたんにその生態系は壊れてしまいます。また、硝酸の一部は微生物の作用で地球温暖化の原因となるNOやN2Oに変化することが知られています。リン酸は富栄養化を引き起こす最大の原因物質です。
 また、人間に対しても影響があります。硝酸含有率の高い水を飲むと、赤ん坊ではブルーベイビーシンドロームという酸素欠乏になってしまったり(硝酸から生じる亜硝酸が体内に入って、これが血液中のヘモグロビンタンパク質と結合してしまいます)します。ただし、この硝酸による人間の健康への影響に関してはかなり疑問視もされています。不衛生な水で、硝酸が飲む前に亜硝酸に変化していることが悪影響をもたらしている場合がほとんどのようです。
 このような問題が次第に顕在化してきて、クリーン農業などの不必要に施肥をしないような農業技術が開発されてきました。

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